図1: 水際の枯葉や浮き草、底に沈殿した泥などの「生物密度が極めて高いスポット」を正確にサンプリングする手法(※画像はイメージ画像です)
[!NOTE] ※本記事で使用している微生物の画像はすべて3D CGによるイメージ画像です。
週末の天気の良い日、公園の古い池のまわりや、小さな小川のせせらぎを歩いていると、「この水の中には、一体どんな未知の生命がうごめいているのだろう?」と想像したことはありませんか? 特別な高額の「プランクトンネット」や研究用の採水器がなくても、コンビニでもらえる空のペットボトルや100均のスプーンだけで、驚くほど多種多様なミクロの生き物(ゾウリムシ、クマムシ、ミジンコ、ワムシ、珪藻など)を無限に捕獲することができます。
プロのフィールドワーカーが実践している、未知のプランクトンを極めて高確率で捕獲し、家で高濃度に濃縮して観察するための「サンプリング・泥ハック」を大公開します!
1. 成功確率90%以上!プランクトンが超密集する「3大ゴールドスポット」
ただきれいに澄んだオープンな水をすくっても、生物の密度が薄すぎて顕微鏡の下で何も見つからないことがよくあります。狙うべきは、有機物と酸素が豊富で、日光が適度に遮られる**「濁りと障害物の隙間」**です。
スポット A: 浮き草の「根のまわり」(狙い目:ミジンコ、アメーバ)
池に浮いているウキクサやホテイアオイなどの水草をピンセットでつまみ、その**「水中に伸びている細い毛のような根」**をペットボトルの中で激しくゆすいでください。 根の隙間は、ミジンコやワムシなどの微小生物にとって最高の「エサ場兼シェルター」となっているため、一振りするだけで数百匹のプランクトンをボトル内に洗い落とすことができます。
スポット B: 水底の「枯葉の裏のドロドロ」(狙い目:ラッパムシ、線虫、ワムシ)
池のヘリや流れのない淀みに沈んでいる、半分腐りかけた茶色い枯葉(落ち葉)をスプーンでそっとすくい上げます。葉の裏に付着している「茶色いヌルヌルした膜」やその周囲の軽いドロドロ(デトリタス)には、バクテリアを食うラッパムシやアメーバなどの原生生物が超高密度で密集しています。
スポット C: 日当たりの良い「コンクリート壁の茶色い苔」(狙い目:クマムシ、珪藻)
川の護岸コンクリートや、公園の噴水の石壁のうち、常に水が滴り落ちていて、茶色や緑色の膜が薄く張っている場所をスプーンの先で優しく削り取ってボトルに回収します。ここにはガラスの芸術「珪藻」や、それをエサにするクマムシが大量に暮らしています。
2. 獲れたプランクトンを10倍に増やす「ボトル濃縮ハック」
採集した水には大量のゴミや砂が含まれており、そのまま顕微鏡で覗くとゴミだらけで観察が困難です。また、生物の密度をもっと上げたい場合は、以下の**「ライト・トラップ濃縮ハック」**を試してください。
光を使った自動濃縮の手順
- 採集してきたペットボトルを、周囲を暗くした部屋に置きます。
- ボトルの「一箇所(水面近く)」だけに、スマートフォンのライトなどの強い光をピンスポットで当てます。
- そのまま30分放置します。
- ミジンコやミドリムシ、ゾウリムシなどの多くのプランクトンは光に向かって泳ぐ性質(正の光走性)があるため、ボトルの広範囲に散らばっていた生物が、光が当たっている局所エリアに雲のように大集結します。
- この集結したポイントをスポイトで一気に吸い取ることで、極めて高濃度に濃縮された「ミクロの特濃スープ」を抽出でき、顕微鏡の視野が一瞬で生命のダンスホールに変わります!
[!WARNING] 採集した水の保管温度に注意! 採集したプランクトンボトルは、フタをきつく閉めると数時間で酸欠全滅します。必ずフタを緩めるか外しておき、直射日光の当たらない涼しい場所(室温18℃〜22℃程度)に置いてください。冷蔵庫に入れると一部のデリケートな淡水プランクトンはショック死してしまいます。
3. 週末の小さな冒険に出かけよう
近くのありふれた公園の池の泥水が、ボトルに汲み取って顕微鏡の下に載せた瞬間、人類未踏の壮大なジャングルへと変貌します。 ボトルとスプーンをバッグに入れて、あなたの身近な自然に潜む「ミクロの隣人たち」をハントしに出かけてみませんか?